ただ、そもそも「男」の育休ってよく分からないし、手続きとかもさっぱり。
こんな悩みを解決するために、こちらの記事では「男性育休」の制度や手続きに関して全体像を把握できるように説明していきます。
男性育休を取得するときの悩みについても触れているので、男性育休について知りたいならまず読んでみてください。
こんにちは。男性育休を1年間取得した「そちまる(@sochimaru_ikuji)です。
■この記事の著者
そちまる
- 3歳と0歳のパパ
- 2022年6月に第2子誕生
- 夫婦で育休一年取得
- 妻と子供が大好き
男性育休、少しずつですが広まってきていますよね。
男が仕事だけして偉そうにしている時代はもうとっくに終わっています。
とはいえ、男性育休に理解のない人も多い中、男性育休に興味を持ってくれたあなたは、とても良い旦那さんです。
ぜひ、男性育休を取得して、愛する奥さんに楽をさせてあげてください。
もちろんご自身にとってもいい経験とスキルになるので、取って後悔はしないでしょう。
まずはこの記事を読んで「男性育休」に関して理解を深めてください。
では始めていきます。
目次
そもそも育休(育児休業)とは?
育休(育児休業)とは、子どもが1歳になるまで会社を休める国の制度です。
男女関係なく取得することができます。
【育児休業制度の概要】
- 原則1年間、保育園に入れないなどの理由がある場合最長2年まで延長可能
- 育児休業給付金という手当が貰える
- 手続きは基本的に会社とのやりとりのみ
細かいことはこの後に説明するよ!
育休は誰でもとれる?
育休は正社員であればだいたい取ることができます。(男女関わらず)
非正規雇用(有期雇用)の場合は「同じ会社で1年以上働いている」かつ「子どもが1歳6ヶ月になる日まで雇用契約がなくなることが明らかでない」という条件を満たしていれば取得可能。
- 1歳未満の赤ちゃんを育てている、または予定がある
- 【非正規雇用の場合】子どもが1歳6か月までの間に契約が満了することが明らかでない
正社員だとしても、働き始めて1年未満の方は労使協定の締結により育休が取得できない可能性があります。(会社側は労使協定の締結により、「入社1年未満の労働者」を育休の対象外とすることができる)
入社1年未満で子どもが産まれても、1年経ったときに申し出が可能です。会社の担当に確認してみましょう。
育休の取得条件に関してもう少し詳しく知りたい方は下記の記事も合わせてご覧ください。
「会社に育休の制度がないから取れない〜」っていう人がよくいるけど、それは勘違い。
国の制度なので、条件を満たしていれば誰でも取れるよ。
育休がとれる期間は?
育休を取得できる期間は原則1年です。
女性は産後休業があるため、育休開始時期がズレます。
「原則1年」と書いていますが、1年以上取得できるパターンもあります。
【原則以外のパターン】
- パパママ育休プラス 1年2ヶ月
- 1年時点で保育園に入れない場合 1年半
- 1年半時点で保育園に入れない場合 2年
- その他(会社の制度がある場合)
原則以外のパターンについても詳細を知りたければ下記の記事をご覧ください。
育休中の給料や手当は?
育休中は会社から貰える給料は基本的にゼロです。ただ、育児休業給付金を受給できます。
育児休業給付金で貰える額は6ヶ月までは給料(額面)の67%、それ以降は50%です。
67%と聞くと「生活できるかな〜」と不安に思う方もいるかもしれませんが、実質手取りの8割が支給されます。
その理由は下記。
- 育児休業給付金は非課税のため所得税がかからない
- 育休中は社会保険料が免除
- 雇用保険料もかからない
出典:厚生労働省
男性育休を取るための手続きは?
男性育休を取るための手続きは下記のステップで進めていきましょう。
- 奥さんの妊娠と育休取得の報告(5〜6ヶ月前)
- 育休届の提出(1ヶ月前まで)
- 育児休業対象児出生届の提出(産後2週間以内)
- 育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書の提出(産後2ヶ月ごろ)
- 育児休業給付金支給申請書の提出(その後2ヶ月ごと)
- 育児休業申込書(延長)の提出(産後1年、1年半ごろ)※必要があれば
それぞれ簡単に説明しますが、詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。
事務的な手続き以外にも男性育休取得を決めたらやっておくべきことを紹介しているので、読んでおくことをおすすめします。
1.奥さんの妊娠と育休取得の報告(5〜6ヶ月前)
まずはじめに上司と担当部署に奥さんの妊娠と育休取得の報告をしましょう。
報告のタイミングに関しては安定期(※)に入ってからで問題ありません。
※安定期は一般的に妊娠5ヶ月(16週目)からをいいます。
妊娠の報告と育休取得の報告は一緒にしてしまいましょう。
別で報告をすると二度手間になりますし、時間が経てば経つほど言いづらくなってきます。
2.育休届の提出(1ヶ月前まで)
上司にも相談し、担当部署にも報告したら、1ヶ月前までに育休届を提出します。(育休届ではなく、育児休業願や育児休業申出書などとなっている場合も)
会社で決まった様式がある場合は育休取得の報告時に渡されると思います。
もしなければ厚生労働省が「イクメンプロジェクト」で用意してくれているテンプレがあるので、そちらを使いましょう。
→イクメンプロジェクトの育児休業申出書はこちら
3.育児休業対象児出生届の提出(産後2週間以内)
子どもが産まれたら、「育児休業対象時出生届」を提出します。
基本は会社の様式に従ってください。
もし様式がなければ

下記のような書類を作成すればOKです。
4.育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書の提出(産後2ヶ月ごろ)
育児休業給付金の申請は基本的に会社が進めてくれますが、「育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書」に署名が必要です。
会社側が準備し、郵送してくれるので、それに署名、押印すればOKです。
5.育児休業給付金支給申請書の提出(その後2ヶ月ごと)
育児休業給付金を受け取るため、2ヶ月ごとに「育児休業給付金支給申請書」の提出が必要です。
1つ前の「育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書」と同様、基本的には2ヶ月ごとに会社が準備して郵送してくれます。
同じように署名、押印して会社に提出すればOK。
6.育児休業申込書(延長)の提出(産後1年、1年半ごろ)※必要があれば
保育園に入所できない場合など、育児休業の延長が可能です。
育児休業を延長する場合は「育児休業申込書(延長)」の提出が必要です。
男が育休を取る必要ある?
男も120%育休を取るべきです。
大きな理由としては下記の3つ
- 女性の87.5%は旦那に育休をとってほしいと思ってる
- 産後の体は全治1ヶ月と同じ状態
- 産後は精神状態も不安定
下記の記事には「男の育休がいらないわけがない」理由を詳しく書いています。
上記の理由以外にも、男性育休にはメリットが多数あります。
奥さんにとっても、自分にとっても男性育休は取得するべきです。
男性育休はどのくらいの期間とるのがおすすめ?
男性育休はなるべく長期で取得するのがおすすめ。
最低でも3ヶ月間は取るべきです。
その理由は下記の8つ。
【男性育休は3ヶ月以上がおすすめな理由】
- 出産後は交通事故で言うと全治1ヶ月の状態
- 産後2ヶ月までに無理をすると生涯に渡って後を引く
- 産後うつの発症は3ヶ月以内が多い
- 体の状態が完全に戻るまでは3ヶ月〜1年ほどかかる
- 3ヶ月以上取得してほしいと思っている女性が多い
- 奥さんの旦那に対する愛情曲線は産後にパパが育児を頑張ったかどうかで決まる
- 1ヶ月程度では育児に慣れない
- 子どもの成長は早いので、できるだけ長く見ていたい(願望)
自分に合った男性育休の期間は下記で確認してみましょう。
男性育休のおすすめ期間に関しては、下記の記事に詳細を書いています。
男性育休のメリットデメリットは?
男性育休のメリットは下記。
【男性育休のメリット】
- 子どもと過ごす時間が増える
- 奥さんの負担を軽くできる
- その後の夫婦関係を良好に保てる
- 家事育児の大変さを理解できる
- 育児をすることで視野が広がる
- 夫婦で喜びや辛さを分かち合える
- 夫婦間で育児スキルの差が埋まる
- 仕事をせずに給与の8割が貰える給付金を利用できる
- 時間に縛りのない生活で自分を見つめ直すことができる
- 仕事に関係のない新しいスキルを身につけるチャンスがある
- 給料以外の収入の柱をつくるチャンスがある
男性育休のデメリットは下記。
【男性育休のデメリット】
- 収入が減る
- 育休復帰後のキャリアへの悪影響がある
- 一部社員から嫌われる可能性がある
- 仕事のスキルが落ちる
- 「休み」という意識でいると奥さんのストレスになる
客観的にデメリットと言われていることを書いていますが、メリットが大きすぎるので、僕自身デメリットはほぼ無いと思っています。
男性育休のメリットデメリットについては下記の記事に詳細を書いているので、そちらをご覧ください。
男性育休ってぶっちゃけ周りに迷惑がかかる?
正直なところ男性育休を取得すると周りの人に「迷惑」と思われることもあります。
しかし、育休は権利としてあるものなので、「迷惑に思う人がいるかもしれない」といって取得するのを迷う必要は全くありません。
「迷惑」に思う人がいる可能性はありますが、そんなのは気にしなくていいです。
その理由は下記の記事に詳しく書いています。
男性育休取らせてくれない場合どうすればいい?
上司や会社が「男は育休を取れない」と言ってくる可能性もあるでしょう。
大前提として会社側が「男は育休を取れない」ということは法律に違反しています。
もしかして、「男は育休を取れない」と言っている上司が男性育休について何も知らないだけかもしれません。
その場合は「男性育休は国の制度で、それを拒否するのは法律違反」とういことを教えてあげましょう。
知っていた上で「男に育休は取らせない」と言っている場合は、適切な場所に相談しましょう。
【育休に関して相談できる場所】
- 会社の相談窓口
- 総合労働相談コーナー
- 労働局
- 労働基準監督署
- 弁護士や法テラス
下記の記事には「男は育休を取れない」と言われてしまう理由や、言われないようにするべきことを書いています。合わせてご覧ください。
男性育休中は何をすればいい?
男性育休中は何をすればいいか、それは「育児」です。(当たり前)
育児休業という名前の通り、育児をするための休みですからね。
あと、奥さんのサポートのために当たり前ですが、家事もやりましょう。
「家事育児って何をすればいいの?」って人のために、我が家のタスクをまとめたものを貼っておきます。
※ウチは上の子がいます。
上記の家事育児のタスクの他にも下記のようなことがあるので、事前に確認しておくといいでしょう。
- 出産後の各種手続き
- 出産内祝いを贈る
- 予防接種に連れて行く
- 健診に連れて行く
- お祝いごとの準備をする
男性育休中に何をするべきかは下記の記事にまとめてありますので、そちらをご覧ください。
男性育休を取ったらその後のキャリアに影響ある?
基本的に育休取得により「給料を下げる」「出世させない」などの不当な扱いをすることは禁止されています。
参考:厚生労働省「妊娠・出産・育児休業等を理由とする不利益取扱い」
しかし、残念ながら実際のところは「給料を下げられる」「出世の道を閉ざされる」なんてこともあるようです。
その場合は1人で悩まずに適切な場所に相談するようにしましょう。
【育休復帰後のキャリア等に関する相談場所】
- 会社の人事労務
- 労働組合
- 都道府県労働局
育休復帰後のキャリアに関しても、男性育休のメリットデメリットを紹介している下記の記事に書いています。
男性育休を取りたいけど給付金の額じゃ厳しい・・・何かいい方法は?
「育児休業給付金の受給だけではお金が足りない・・・」そんな方におすすめなのが育休中の副業です。
下記の記事には育休中におすすめの副業をまとめていますので、育休中の副業に興味があればご覧ください。
また、副業以外にも「支出の節約する」、「育休が始まるまでにできるだけ貯蓄する」などは副業以外にもやっておくべきです。
お金に不安がある方は、まず現状の支出を計算し、育児休業給付金をもとに育休中のシミュレーションをしてみましょう。
まとめ
育休(育児休業)とは、子どもが1歳になるまで会社を休める国の制度です。【育児休業制度の概要】
- 原則1年間、保育園に入れないなどの理由がある場合最長2年まで延長可能
- 育児休業給付金という手当が貰える
- 手続きは基本的に会社とのやりとりのみ
育休は正社員であればだいたい取ることができます。(男女関わらず)
非正規雇用(有期雇用)の場合は「同じ会社で1年以上働いている」かつ「子どもが1歳6ヶ月になる日まで雇用契約がなくなることが明らかでない」という条件を満たしていれば取得可能。
【育休中の給料や手当】
育休中は会社から貰える給料は基本的にゼロです。ただ、育児休業給付金を受給できます。
育児休業給付金で貰える額は6ヶ月までは給料(額面)の67%、それ以降は50%です。
所得税や雇用保険料がかからない、社会保険料が免除されるなどの理由で最初の6ヶ月は実質手取りの8割が支給されます。
- 奥さんの妊娠と育休取得の報告(5〜6ヶ月前)
- 育休届の提出(1ヶ月前まで)
- 育児休業対象児出生届の提出(産後2週間以内)
- 育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書の提出(産後2ヶ月ごろ)
- 育児休業給付金支給申請書の提出(その後2ヶ月ごと)
- 育児休業申込書(延長)の提出(産後1年、1年半ごろ)※必要があれば
【男が育休を取る必要があるか】
男も120%育休を取るべき。
【男が育休を取るべき理由
- 女性の87.5%は旦那に育休をとってほしいと思ってる
- 産後の体は全治1ヶ月と同じ状態
- 産後は精神状態も不安定
他にも男性育休はメリットが多数。
奥さんにとっても、自分にとっても男性育休は取得するべきです。
【男性育休のおすすめ期間】
男性育休はなるべく長期で取得するのがおすすめ。
最低でも3ヶ月間は取るべきです。
【男性育休は3ヶ月以上がおすすめな理由】
- 出産後は交通事故で言うと全治1ヶ月の状態
- 産後2ヶ月までに無理をすると生涯に渡って後を引く
- 産後うつの発症は3ヶ月以内が多い
- 体の状態が完全に戻るまでは3ヶ月〜1年ほどかかる
- 3ヶ月以上取得してほしいと思っている女性が多い
- 奥さんの旦那に対する愛情曲線は産後にパパが育児を頑張ったかどうかで決まる
- 1ヶ月程度では育児に慣れない
- 子どもの成長は早いので、できるだけ長く見ていたい(願望)
【男性育休のメリット】
- 子どもと過ごす時間が増える
- 奥さんの負担を軽くできる
- その後の夫婦関係を良好に保てる
- 家事育児の大変さを理解できる
- 育児をすることで視野が広がる
- 夫婦で喜びや辛さを分かち合える
- 夫婦間で育児スキルの差が埋まる
- 仕事をせずに給与の8割が貰える給付金を利用できる
- 時間に縛りのない生活で自分を見つめ直すことができる
- 仕事に関係のない新しいスキルを身につけるチャンスがある
- 給料以外の収入の柱をつくるチャンスがある
【男性育休のデメリット】
- 収入が減る
- 育休復帰後のキャリアへの悪影響がある
- 一部社員から嫌われる可能性がある
- 仕事のスキルが落ちる
- 「休み」という意識でいると奥さんのストレスになる
【男性育休は周りに迷惑がかかるのか】
正直なところ男性育休を取得すると周りの人に「迷惑」と思われることもあります。
しかし、育休は権利としてあるものなので、「迷惑に思う人がいるかもしれない」といって取得するのを迷う必要は全くありません。
【育休を取らせてくれない場合どうするか】
大前提として会社側が「男は育休を取れない」ということは法律に違反しています。
上司が男性育休について何も知らない場合、男性育休に関して教えてあげましょう。
知っていた上で「育休を取らせない」と言っている場合は適切な場所に相談しましょう。
【育休に関して相談できる場所】
- 会社の相談窓口
- 総合労働相談コーナー
- 労働局
- 労働基準監督署
- 弁護士や法テラス
【男は育休中に何をすればいいか】
男性育休中にするべきことは「育児」と「家事」。
家事育児のタスクで何をすればいいか知りたい方のために、僕のタスクリストを貼っておきます。
家事育児以外にもこんなタスクもあります。
【家事育児以外のタスク】
- 出産後の各種手続き
- 出産内祝いを贈る
- 予防接種に連れて行く
- 健診に連れて行く
- お祝いごとの準備をする
【育休後のキャリアへの影響】
基本的に育休取得により「給料を下げる」「出世させない」などの不当な扱いをすることは禁止されています。
育休後のキャリアに不安がある方は下記に相談しましょう。
【育休復帰後のキャリア等に関する相談場所】
- 会社の人事労務
- 労働組合
- 都道府県労働局
【給付金で足りない場合、何かいい方法はあるか】
給付金で足りないという方におすすめなのが育休中の副業です。
条件はありますが、育休中に副業をすることで、給付金以外に収入を得ることができます。
また、副業以外にも「支出を減らす」「育休が始まるまでにできるだけ貯蓄する」などはやっておくべきでしょう。
お金に不安がある方は、まずは育休中の収支のシミュレーションをしましょう。